あなたが今までに、無意識のうちに信じてきたものを疑ってみてください。
私達は、無意識のうちに、自分が見たり・聞いたりしたことを信じています。
あなたが無意識に信じてきた考え方が気に入らないのであれば、その考え方を採用しないこともできます。
自分が信じていること、つまり、自分の信念を知るためには、自分が反応しているものに気づくことです。
例えば、会社の同僚に、「あなたはこの会社のお荷物だ」と言われた場合について考えてみます。
「自分は会社のお荷物かもしれない」と感じている人であれば、会社のお荷物だと言われたら、ネガティブな感情が沸き起こってくるかもしれません。
そんなひどい言葉を言った同僚に対して反撃したくなるかもしれませんし、自分を正当化したくなるかもしれませんし、自分を責めてしまうかもしれませんし、誰かに慰めてもらいたくなるかもしれません。
ですが、その人がネガティブな感情を感じたのは、同僚のひどい言葉のせいではありません。
同僚の言葉は、ひとつのきっかけにすぎません。
「私は会社の役に立っていないかもしれない」と感じているから、「会社のお荷物だ」という言葉をきっかけにして、ネガティブな感情を感じているのです。
ネガティブな感情は、自分の考え方をもとにして、自分で作り出しているのです。
もしもその人が、「私は会社に貢献している」ということを信じていたら、「会社のお荷物だ」と言われたとしても、特に何も感じないでしょう。
このことは、自分のことを「美人」だと信じている人が、「あなたはブサイクだ」と言われたとしても、特に何も感じないのと同じことです。
もちろん「他人に何を言われても、何も感じなければいい」ということではありません。
ネガティブな感情をきっかけにして、当たり前のように受け入れていた自分の考え方に気づいてほしいのです。
あなたの考え方が変われば、当然のことながら、発生する感情も変わるのです。
ネガティブな感情は、自分が信じているものがなんなのか、気づくためのよいきっかけになります。
そして、ネガティブな感情を起こさせる考えを持っていることに気がついたのであれば、この考えを捨ててしまいましょう。
「今までの考え方をすててしまっても大丈夫なのか」と思うかもしれませんが、自分にとってなんの利益もない考え方を持ち続けていて、意味はあるのでしょうか。
なんの根拠もなく、「私は会社に貢献している」という考え方を持っていいのです。
「人は謙虚でなくてはいけない」と思っている人は、「そんな考え方をしていたら、傲慢な人間になってしまう」と思うかもしれません。
ですが、そんな考え方を持っていたとしても、傲慢な人間になるわけではありません。
傲慢な人間というのは、他人を見下している人間のことですが、自分の価値を認められないからこそ、他人を見下して、自分の価値を高めているのです。
自分の価値を自分で認めることができれば、自分の価値を他人に頼る必要がなくなります。
自分で自分の価値を認めることができれば、どんな言葉を他人から投げかけられたとしても、傷つくことができなくなります。
要するに、他人にひどい言葉を言われてネガティブな感情になっていた人は、「ひどい言葉に傷ついていたのではなくて、無意識に作られた考え方によって、自分を苦しめていたというわけです。
自分にとって不要な考え方を持っていることに気がついたのであれば、その考え方を捨ててください。
ひとつずつ、考え方を捨てていくごとに、自由を感じることになります。
どんな考え方を採用するかは、自分で決めていいのです。
無意識のうちに信じてきたものについて、今一度疑ってみてください。